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2010-12-15 | 石綿肺がん 医学的資料なしで認定 |

石綿肺がんの労災認定基準は、10年間の曝露作業と石綿曝露を示す医学的所見となっています。 石綿健康被害救済法の時効救済(死亡後5年が経過)においても、 カルテやフイルム等の保存期限を経過しているため医証が全くない場合が多いにも関わらず、 医学的所見が確認できない場合は不支給決定とされます。 ただし、同僚が認定されている場合や、高濃度曝露が認められる場合は、本省協議となっています。 今回、石川島播磨重工で働き肺がんで亡くなった方のご遺族が、 特別遺族年金を請求した事案が、 医学的所見が全くないなかで業務上災害としての認定が行われました。 石川島播磨重工において船舶の電装及び溶接作業に35年間従事したAさんは、退職後の1986年8月に肺がんで亡くなられました。68歳でした。2008年11月、Aさんのご家族から、「石綿労災認定事業所名に、父が勤めていた会社名が入っていた」との相談がありました。相談の電話の前に、ご家族はAさんが入院されていた病院にも問い合わせをされたそうで、「カルテもフイルムも残っていないが、どうしたらいいか」とのことでした。 Aさんの家族から相談を受け、お宅を訪問した際、床の間に飾られていたAさんの賞状が目にとまりました。電気技術に関するものと、溶接技能に関する賞状でした。そこで、この2枚の賞状と、臨時全国労災補償課長会議で配布された質疑応答集、そして同種事例で業務上災害の認定が行われた復命書及び新聞記事を、相生労働基準監督署に提出しました。 その後、事務手続きに沿って相生署が本省あてに相談した結果、「業務上の疾病と認められる」との判断により、支給が決定したのでした。事務手続きに沿った当たり前の調査・決定なのですが、当たり前のことが行われていないだけに、喜びもひとしおでした。 新法施行(2006年3月末)後に申請された方の中には、本来救済されるべき方が不支給となり、何ら補償を受けられずにいるのではないかと思われます。厚労省は、新法施行後に医証なしとの理由で不支給処分とした全事例を再調査すべきです。また、医証が残っていたケースについても、「高濃度の石綿曝露作業が認められる場合」については認定すべきであり、こうした事例についても早急に再調査を行うべきであると考えます。
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