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建材メーカー6社を被告とする建設アスベスト訴訟
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しかし、建材メーカーは、最高裁の判決後も争う姿勢を変えていません。そのため、建設現場で働き、建材に含まれるアスベストが原因で病気になった患者さんとその遺族が、建材メーカーに対して損害賠償を求める訴訟が全国各地の裁判所で争われています。
♦広島では初の建設アスベスト訴訟
2025年3月28日、建設アスベスト被害者8名(原告数は15名)が、建材メーカー6社を被告として総額2億2880万円の損害賠償を求めて広島地方裁判所に提訴しました。広島地裁では初めての建設アスベスト訴訟となります。
被告6社は、ニチアス、エーアンドエーマテリアル、エム・エム・ケイ、太平洋セメント、日鉄ケミカル&マテリアル、積水化学工業です。これらのメーカーは、各被害者の石綿ばく露状況、石綿ばく露が原因となった建材の分析、建材ごとのシェア等に基づき、原告ごとに被告として特定したものです。被害者8名の内訳は、大工4名、内装工 1名、保温工1名、ダクトエ1名、サッシ取付業者1名です。8名のうち5名がすでに死亡しています。8名が発症したアスベスト疾患は、中皮腫4名、肺がん3名、びまん性胸膜肥厚1名で、いずれの方も労災と認定されています。石綿ばく露作業には、昭和30年代から平成18年以降までの期間に従事しており、最も若く死亡された方の死亡時年齢は54歳で、病名は胸膜中皮腫でした。
♦メーカーヘの責任追及を強めよう
建設アスベスト訴訟は、札幌・仙台・東京・神奈川・埼玉・京都・大阪・岡山・香川・福岡の裁判所で争われ、原告の被害者数は全国で約1400名となっており、うち約1200名については未解決です。現在、東京高裁と大阪裔裁で争われている訴訟については、裁判所から和解案が示されており、建材メーカー側の対応が注目されています。
今回の広島地裁での訴訟は、広島アスベス卜訴訟弁護団が担当されています。アスベス卜訴訟関西弁護団により、2020年(令和2年)12月に大阪地裁への第1次提訴が行なわれましたが、その時から広島アスベスト訴訟弁護団の先生方にも協力をいただいていました。広島・山口・福岡にお住まいの原告候補者が増えたこともあり、この度の広島地裁への提訴となりました。
建材メーカーは長年にわたり石綿建材を製造・販売し利益を上げ続けました。国は給付金制度を設けましたが、建材メーカーも資金を拠出し、被害者が完全な救済を受けられるように基金制度を実現するべきです。そのためにも建材メーカーに対する責任追及を強めることが必要と考えます。
【原告Yさんの声】
会社の健康診断において、肺の異常を指摘され、大学病院を受診したところ右肺の肺がんと診断されました。すぐに手術をうけ、右肺上部の3分の1を摘出しました。永年にわたり建設関係の仕事をしていたので、アスベストが含まれる建材を切断したり、加工したので、その際に知らず知らずのうちにアスベストを吸い込みました。
労災保険の手続きをおこない、私の肺がんはアスベストによる肺がんであると認定されました。今も定期的に病院に行っていますが、いまだに手術の跡がズキンという痛みを感じることがありますし、息苦しさを感じます。
また、いつ肺がんが再発するのかの不安をいつも抱えています。建設の仕事をしてきましたが、建材の中に身体に悪いアスベストが含まれていることは知らされていませんでした。マスクを着けるようにと教えてもらったこともありませんでした。
肺がんになったことで私の人生は大きくかわりました。建材メーカーは、危険だと知りながら私たちに使用させたことを謝って欲しいと考え、今回の裁判に参加することにしました。皆さんのご支援をお願いします。