NPO法人 ひょうご労働安全衛生センター

労災・職業病・労働環境など
お気軽にご相談ください

TEL 078-382-2118
相談無料・秘密厳守
月〜金: 9:00-18:00
  • トップ
  • < 地震・石綿・マスク支援プロジェクト

地震・石綿・マスク支援プロジェクト

2026地震・石綿・マスク支援プロジェクトin神戸

2026/02/24
阪神・淡路大震災から31年を迎えた2026年1月17日(土)、神戸市中央区センター街東口付近において、「2026地震・石綿・マスクプロジェクト」を実施しました。この日は土曜日でもあり、買い物客や観光客、震災の日を意識して訪れた人々など、多くの通行人でにぎわっていました。時間帯によっては人の流れが途切れることなく続く状況でした。
本プロジェクトには、中皮腫・アスベスト疾患・患者と家族の会ひょうご支部、NPO法人アスベスト被害者救済基金、NPO法人ひょうご労働安全衛生センターのメンバーら30名が参加しました。参加者はマイクを用いて街頭から、災害時に発生する粉じんとアスベストの危険性や防じんマスクの備蓄について呼びかけるとともに、通行人にマスクと啓発チラシを配布しました。マイクによる呼びかけに足を止める通行人も多く、マスクやチラシを受け取った人の中には、その場で内容に目を通したり、歩きながら真剣に読み込んだりする姿が見られました。
阪神・淡路大震災当時にボランティア活動を行っていたという通行人の方からは、当時は粉じんの健康影響について十分に認識されていなかったとの話も聞かれました。災害と健康被害の関係について、改めて確認する様子がうかがえました。
準備していたマスクは1,000枚でしたが、開始直後から配布のペースは早く、開始から30分ほどで配布を終えました。マスク配布終了後も、参加したメンバーがマイクと啓発チラシを用いて説明を行い、活動終了時まで呼びかけを続けました。
また当日は、兵庫県のマスコットキャラクター「はばタン」も参加しました。はばタンの登場により、子ども連れの通行人が足を止める場面が多く見られ、写真撮影をきっかけに活動内容について説明を行う機会が広がりました。保護者が子どもに対して災害時の備えについて話す姿も見られ、幅広い世代に向けた啓発につながりました。


◆阪神・淡路大震災から31年

1995年1月17日午前5時46分、兵庫県南部を襲った震度7の激震は、6,400名以上の命を奪い、甚大な被害をもたらしました。数多くの建物が倒壊し、地震発生直後の被災地は大量の粉じんに覆われました。
さらに、その後の復旧・復興過程においても、到壊建物の解体や撤去作業に伴い、大量の粉じんが発生しました。これらの粉じんには、当時多くの建材に使用されていたアスベストが含まれており、工事に従事した労働者だけでなく、被災地で生活していた住民や子どもたち、支援に訪れたボランティアなども吸い込む状況にありました。
こうした被ばくの影響は、地震から長い年月を経て、現在も健康被害として表れ続けています。


◆アスベストによる健康被害の現状

アスベストは耐熱性や断熱性に優れ、かつては建材を中心に約3,000種類の製品に使用されてきました。しかし、非常に細かい繊維であるため、吸い込むと体内にとどまり、10~40年という長い潜伏期間を経て中皮腫や肺がんなどの重篤な病気を引き起こします。
公表されている統計によると、2024年度の中皮腫による死亡者数は1,562名にのぼって います。また、中皮腫による死亡者数は2040年までに累計10万人に達するとの予測もあり、石綿関連疾患は現在も重要な課題となってい ます。


◆健康被害を防ぐために

日本は世界有数の地震国であり、いつ、どこで大規模な地震が発生しても不思議ではありません。災害そのものを防ぐことはできませんが、アスベストによる健康被害は、事前の知識と備えによって防ぐことが可能です。

本プロジェクトでは、次の3点を提案しています。
1.災害時の粉じんから身を守るため、防じんを日常的に備蓄すること。
2.身近な建物のアスベスト含有状況を把握し、可能な限り事前に除去すること。
3.市民や子どもたちに向けた環境教育を進め、災害と健康被害の関係を伝えていくこと。


◆継続的な取り組みに向けて

阪神・淡路大震災から31年が経過し、震災の記憶の風化が指摘される一方で、アスベストによる健康被害は現在も続いています。今回の街頭啓発活動では、マイクを用いた呼びかけにより、多くの市民に対して災害時のアスベスト被害について伝える機会となりました。災害時の新たなアスベスト被害を防ぐため、今後も関係団体と連携しながら地震・石綿・マスクプロジェクトを継続し、予防と啓発の取り組みを進めていきます。